GTDの原典読んでみたら意外にいろいろ勘違いしてたという話
GTDというかタスク管理についてはもうだいぶ長いこと悩んできたのだが、もうなんともにっちもさっちもいかなくなってきたので、ついに原典を紐解いてみた。といっても本当の原典ではなく、実践編の方。まぁWebでつまみ食い程度とはいえ、一応GTDの理念は知った上でタスク管理してたので、実践編の方が役に立ちそうかな、と。でも実際読んでみて、案外GTDの基礎を勘違いしてることに気付いたり。
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GTDは頭の中を書き出すことがすべてではない
GTDってなんとなく「2時間かけて頭の中を書き出しましょう」「そのリストを1週間おきに週次レビューで見なおして最新の状態を保ちましょう」っていうのが核だと思っていたのだが、それがすべてではなかった。というより、それはあくまで始まりである。書き出して意識の外で保存するだけでは中途半端で、それを「どう処理するのか?」という点で見極めた上で、適切なリストに並べておかなくてはならない。例えば時間の決まっている行動であればカレンダーに書き込むことになるし、誰かに頼めることであれば、依頼した上で「連絡待ち」リストに入れる。今は使わないが、いずれ興味が出そうなことであれば、数日後に思い出せるようリマインダーに仕込んでおく。
GTDとはすなわち「絶え間なく入ってくる情報を適切に整理し、すぐ行動に移せるようリスト化しておく」ことに他ならない。単なる「タスク管理」とはその意味で異なる。
「高度」という考え方を取り入れる
目の前のタスクを処理する、整理する他に、GTDには高度という考え方がある。一つ一つの具体的な行動を高度0メートルとして、それを1000メートル、2000メートルという名前の「より広い視点」から位置づけるのだ。例えば「GTDの本を読んだ感想をブログにまとめる」は、より広い視点から言えば「タスク管理方法を考えなおす」というプロジェクトの一部だ。さらにこのプロジェクトは、「時間を効率的に使う」という目標の一端を担うものとなる。という具合。
今気になっていることをリスト化して行動に移すという水平思考と同時に、GTDにはその各行動がどう位置づけられ、どのような優先順位とすべきなのかという垂直思考の考え方がある。この点ってあまりWebのGTD系記事では触れられていない気がして新鮮だった。そして特に「プロジェクト」や「目標」の管理に手を焼いていたので、ちょっと助かった思い。
とはいえ、この本はプロジェクトのリストとNext Actionリストの結びつけについては明確な答えを用意していない。きちんと整理された状態であれば、自ずと各リストの関連性が見えてくるといった回答が成されていたのだが、そんな曖昧なことに任せてられるかwというのが正直なところ。プロジェクトには進行する上でのフローがあり、各フローをいつ、どのようにこなしていくかという視点から考えて、まとめておくことが必要なんじゃないかと思う。
ゴールは「常に最善の行動を取れるようになる」こと
何度も書くが、GTDはタスク管理の手法、ではない。今気になっていることと、それらの位置づけ、見通しをリスト化することにより、「今すべきこと」を明らかにすることだ。単なるタスク管理では、突発タスクを割り込ませる余裕がなくなったり、先々への見通しを持たず、目先の「やること」だけに集中してしまいがちだったりする。
GTDでは常にすべての行動がリスト化されているので、例えば突発的なタスクがあっても、それを既存のリストの中に位置づけ直した上で、いつどのように行動すべきかを捉え直すことができる。仮にその余裕がないほどの事態であったとすれば、すぐ元の状態、正常な状態に戻れることが重要だという。リストは完璧である必要はないが、信頼に足るもの、心の中の「気になっているもの」をすべて書き出したものである必要はある。そしてその状態を保つからこそ、常に最善の行動を取ることができる。
今後この本をどう活かすか
GTDの基本概念を捉え直すことはできた。その上で今悩んでいるのは以下のようなこと。
- 様々なリストが必要なようだが、何で管理するのか?(Google Tasks?、プレーンテキスト?、Evernoteは重いので論外)
- リストを見る気力もないときはどうしよう?(本書では「やる気がないことにすることリスト」も作っていたが、それすら見る気にならない時もある)
- 「次にやること」を実際いつやるのか、スケジューリングする必要はないか?
GTDというのはあくまで、自分の日々の状況を「最善」にするための補助ツールに過ぎないわけで、それに長々と時間をかけてしまうのは本末転倒。早いとこやり方を決めて、自分なりに進めていきたいところなのだが、はてさて。