『エンジニアのための時間管理術』読了

エンジニアのための時間管理術
Thomas A. Limoncelli
オライリー・ジャパン
売り上げランキング: 12,858

先日のデブサミでオライリーの書籍販売があったわけですけど、5000円以上購入でトートバッグプレゼントというのに釣られて買った1冊です。本当は2冊で5000円届くはずだったんだけど、そのときはディスカウントがあったばかりに5000円に届かず3冊という、得したんだか買いすぎちゃったんだかよくわからない感じでした。まぁ、前々から気になって立ち読みしまくってた1冊なので、買うきっかけくれたことには感謝。

内容はGTDとか散々やってきてる自分にとってそれほど新鮮味のあるものではありませんでした。煩わしいタイムマネジメントに関することは全部頭の中から放り出して、その日のタスク、スケジュール、目標なんかはひとつの場所にまとめておこうねっていうのが全体の趣旨です。あとはエンジニアならではなのかな?と思えることとして、手順の文書化の話だったり、スクリプトによる雑事の自動化周りの話がちょっぴり載ってたりはします。

本書内ではタイムマネジメントに使う媒体(デジタルでもアナログでもなんでもいいけど、とりあえず何かしら「1か所」にまとめる)のことをオーガナイザーと読んでいるのですが、そこに書くことは大きく3つあり、1つは365日のタスク。GTDをはじめ、よく聞かれるタスク管理法だと「やるべきこと」は全部1つのリストにドバっと書き出していることが多いわけだけど、本書ではそういう「永遠に終わらないリスト」は「破滅のリスト」と呼んで回避するよう告げている。タスクリストを1日分でクローズドにすることで、その日にやったことを明示的にリスト内で「潰せる」ようにし、達成感を味わえるようにした方がよいと。2つ目はカレンダー。日時の決まった予定だとか、繰り返しのルーチンはカレンダーに書いちゃった方が早い。3つ目が長期的な目標。月単位や年単位の長いスパンで何を実現したいのか?を書き出しておく。その手順は細かく分割した上で、365日のタスクリストや、カレンダー上に載ることになる。そして目標リストは定期的に見直して、更新していく。

自分が今やってることとこれ、わりとよく似ていて。自分の場合、スケジュールがGoogle Calendarで、タスクリストはAny.do。以前todo.txtを使っているという記事を書いたこともあるのだけど、最近乗り換えてしまった。なぜかと言うとスマホアプリのCalを使うと、1日のGCal上の予定とAny.doのタスクがまとめて見られてすんごい楽だから。

Cal – Calendar for iCloud, Google & Exchange
Cal – Calendar for iCloud, Google & Exchange
開発元:Any.DO
無料
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GTDが唄うような「すべてのタスクが網羅されたリスト」ってのはあまりに雑多で自分も嫌いで、なのでAny.doの中身は週に一度見直して、その週にやることを「TODAY」として扱うようにしている。日次リストが本当は理想なのだろうけど、残業も少なくない中で日次でできるタスクなんざたかが知れているので週次がちょうどいい。今日できなくても明日やればいい、みたいな調整もわりと楽に出来るし。

長期的なやりたいこととか取り組んでいることはプレーンテキストで残している。タスク管理アプリのカテゴリー機能などを使う人も多いようだけど、長期的な取り組みはだいたいがその途上で疑問が湧いてきたり、参考URLなぞを書きたくなるもので。だから柔軟なフォーマットで記録しておきたいなという思いが強く、今はプレーンテキストを使っている。

だいたいこれで上手く回ってるかなーと思ってはいるのだが、気にかかっていることが2つだけある。1つはルーチンの扱い。そのほとんどが家事ではあるのだが、定期的にやらなきゃならんことって案外多くて、Google calendarに全部記録するとなかなかにとんでもない量になって嫌気が差す。かといって他のリストを使うというのもあまり効率的には思えないので、現状は「日次タスク」というような大きな予定枠を取っておき、メモ欄にその内容を細かに書く、といった運用になっている。もうちょっとスマートにならぬものか。あとルーチンって定期的に決まったタイミングでやるもののみならず、普段はやらないけどたまに思い出さなくちゃならないよね!みたいなものもあって、そういうのまで「決まった日時に繰り返す」としてカレンダーに入れちゃうとちょっとしんどいなぁと思える。でも、そうした方が忘れずに済むのだろうなぁとも思うから、なるたけ割り切るようにしている。

もう1つ気にかかっているのは、クローズしたタスクや、長期的な取り組みの進捗はきちんと記録を残したいなということ。例えるならTaskChute。自分はこれを仕事で使っているのだが、完了したタスクは取り消し線を引いた上できちんと残るようになってて、今週どのPJに多くの時間を割いたのかとか、そういやあのタスクいつやったっけ、みたいなのを後から振り返れるようになっている。これをAny.doや、プレーンテキストによる長期タスク管理の中でも回したい。進んでいる感覚を持ちたい。暫定的には週次レビューでタスクの棚卸しをするとき、その週のやったことリストを残すことで運用している。自分が何かをやったんだ、前に進んでいるんだという実感を持つことはすごく大事。なんとなく頭の中がもやっとしてるときに、達成記録を読むとちょっとホッとするし、逆に最近取り組んでいない領域があると、ああやらなきゃなって思える。

んで、書評じゃなくて自分のタスク管理の話になってしまったが、毎日のライフサイクルをエンジニアリングするという思想は今後も重視していきたいなと思う。もうずっと迷いながら、やり方を模索しながらなのでときに嫌になったりはするのだけど、エンジニアリングすること自体が楽しくもあるし、それが「システム」である限りは常に保守運用は必要だよなとも思っている。とりあえず中心に置いている考え方は、「ルーチンを確実に回し、タスクを効率的に処理して、やりたいことをやる時間を増やす」こと。ここだけブレなければ大丈夫かなと思っている。