COVID-19 とリモートワーク - 設備だけではなくルーチンも大事
COVID-19 の影響で僕も絶賛リモートワーク中なのだが、せっかくなのでどんな感じでやっているのか記録も兼ねて書いておく。
インフラエンジニアはリモートワークに慣れている
僕は新卒から9年間 IT インフラ領域で働いていて、当初からリモートワークの片鱗のようなものはやっていた。多くのインフラエンジニアがそうだと思うけど、夜間休日にアラート対応を行う必要があり、またデータセンターに籠もりながら仕事をすることもあるので、いつでもどこでも働ける環境を持っている人が多いのではないかと思う。
僕の場合、 BYOD 的に自分の PC を使っていいのか、会社支給の PC が必須なのかは時期によって異なるものの、いずれにせよ「常に PC を携行していつでも仕事できるようにしておく」状態が求められてきた。データセンターに行って作業して、会社に戻る時間が勿体ないので近くのカフェで仕事して帰ったりしていたし、サンライズ出雲の中で朝6時ぐらいに対応したこともあったし、山梨のワイン祭りでオープンエアーのなか、ほろ酔い状態で障害対応せざるを得なかったこともあった。
ということで、リモートワーク自体は従前からずっとやってはいた。
フルタイムのリモートワークは話が違う
だから会社以外で働くことに抵抗はあんまりなかったし、 PC 1台あればなんとかなると思ってた。それが2年ぐらい前、 初めてフルタイムでリモートワークをしたときに、そうじゃないんだとわかった。
当時、怪我が理由でやむを得ず在宅勤務を1週間やらせてもらったことがあった。その頃はデュアルディスプレイも外付けの良い感じなキーボードも持っていなかったものの、障害対応の経験から「なんとかなるだろ」と軽く考えていた。が、会社の環境との差分が徐々にストレスになってきて、1日目が終わらないうちにデュアルディスプレイがどうしても欲しくなり、仕方なくテレビと繋いでぎこちないデュアルディスプレイ環境を作っていた。その後ちょうど今から1年ぐらい前に、大学へ入ったことと転居したことを契機に「きちんとした作業環境を作ろう」と思い、机や椅子も含めてすべて準備した。今のフルリモートワークは、1年前に「たまたま」設備を整えていたから出来ているもので、これが2年前だったらやっぱり難しかっただろうと思う。
もうひとつ、設備面だけではなくて、働き方やルーチンの面も重要だと思っている。オフィスで働くことは、単に働きやすい設備が整っているだけではなくて、働くための環境、体験があることを意味するのだと思う。それは同僚が近くにいて、すぐに声を掛けられることだったり、出退勤という物理的な移動を通じて、仕事の開始終了を明確に区切れることだったり。家でひとりで働くとき、オフィスでの体験を完全には再現できない。その状態で、じゃあどうすればオフィスと同じようなパフォーマンスを発揮できるか?という視点、いわば設備というハードに対して、ソフト面の整備も重要になってくる。
特に今の状況は、リモートワークを強いられているのでストレスが強いという思いがある。今働いている会社はもともとリモートワーク OK だったけれど、それは裁量で会社に来てもいいし、来ないこともできるという意味で、今の「リモートワーク強制」とはまったく違う。今日はちょっと気分を替えてリモートワークしよう、であれば、それだけでパフォーマンスにはプラスになるかもしれない。しかし常に家で仕事をしていると、必然パフォーマンスは従来より上がりにくくなる。
てことで以下では、ハードとソフト、両面から自分のリモートワーク環境についてまとめてみる。
リモートワーク環境(ハード面)
まずハードについてだけど、正直言うともっと改善したい。超最高級の環境にはなっていない。ぶっちゃけ妥協してしまった。平日ずっとこの環境で作業をすることまで想定していたらもっと良いものを買っていたと思う。なのでこれから揃える人は、考えられる限り最高の環境を作ったほうがいいんではないだろうか。てわけであんまり参考にしないでほしさはある。
椅子 / イトーキ サリダ YL8
コストパフォーマンスに優れた椅子。3万円ぐらいだが、ランバーサポート、可動式のアームレスト、固定リクライニング、背もたれのメッシュなどが付いていて悪くない。ただあくまでコストパフォーマンスというところで、座面の硬さだとか、ヘッドレストが頭に合わないだとか、気になるところもある。フルリモート前提ならもっと高いのを選ぶと思う。
今だと後継で YL9 が出ているので、そちらのほうがいいかもしれない。
充電器 / Anker PowerPort I PD
最大30W供給する USB Type-C 1ポートと Type-A 4ポート搭載の充電器。これに Type-C 2本と micro USB 1本、ライトニング 1本、Fitbit Versa 2 の独自充電ケーブル1本繋いで使っている。充電は1箇所でまとめてできるようにしておくとやっぱり便利。
そのまま机上に置くと見た目があまりにあまりなので、 無印良品のポリプロピレンメイクボックス に隠している。
キーボード / Corne Cherry
自作キーボード。自作じゃなくてもいいので、手に合うキーボードは必須と思う。と言いながらも、自作だとキースイッチの重さや押した感触、キー数、左右分離か否か、キーキャップの触り心地などなど隅々まで好きにできるので、冗談抜きに自作はおすすめではある。作るのも半日あればできるし、値段も HHKB 買うのとそんなに変わらない、はず。沼にはまらなければ。
その他
その他ざっくりこんなの使っている。
品物 | 品名 | amazon link |
---|---|---|
机 | ノーブランドの謎のやつ | https://www.amazon.co.jp/dp/B0045XJPWM |
ディスプレイ | I-O DATA EX-LDQ241DB | https://www.amazon.co.jp/dp/B077Y79Q2V |
PCスタンド | NEXSTAND | https://www.amazon.co.jp/dp/B01HHYQBB8 |
ヘッドセット | VOYGER 3200 | https://www.amazon.co.jp/dp/B07SMR5RD2 |
リモートワーク環境(ソフト面)
ソフトと言うかルーチンというか、こんなことを気をつけている。
仕事開始のルーチン
通勤というのは結構仕事開始のルーチンとして大きかったのだと思う。それが無くなった今、何か別の手段で自分の身体と精神に「今から仕事だぞ」と言い聞かせる、スイッチの切替が必要になっている。
僕の場合はノイキャンイヤホンで音楽を聞き始めることと、ポモドーロ・テクニックのタイマーを入れることがスイッチになっている。外界からの遮断と、タイマーを入れることによる明確な時間の区切りがいい感じに作用してくれている。コーヒーを淹れるとか、「やるぞ」って声を出すとか、なんでもいいので何かしらルーチンを定めると捗る。
ちなみにノイキャンイヤホンは定番の SONY WF-1000XM3 を使っている。音楽流さず、ただ耳にはめてノイズキャンセリングしてるだけでも効果がある。
ポモドーロ・テクニック
先程言及したポモドーロ・テクニックは、タイマーをかけて25分間集中して、5分間休憩するというサイクルを繰り返すもの。人間の集中力の限界はそれほど長くないので、強制的に中断することで集中力の持続性を高めたりとか、25分という短い時間を区切ることで集中しやすくするとか、そういった効果があるらしい。
僕の場合、これはリモートワークのときに限らず導入しているのだけれど、リモートワークのときは特に集中力が削がれやすかったりもするので、相性がいいと思う。また逆の観点で、いつまでもだらだら仕事を続けてしまうのを防ぐ効果もある(リモートワークでは「帰宅」が発生しないので、仕事を際限なく続けたくなりがち)。
タイマーには Just Focus (AppStore link) を使っている。25分経つと強制的に画面をロックしてくれる強力なやつで、タイマーが鳴ったのにずるずる作業を続けたりすることがない。
昼休みは必ず外に出る
休憩時間がもったいなくて家で過ごしたくもなるのだが、昼休みは必ず外に出るようにしている。気分転換の効果がひとつと、フルリモートだと通勤がなくなるので、運動不足解消の意味がひとつ。
最近は感染症予防のこともあるので、もっぱら外食ではなく中食をしている。また「外出は1日1回にしましょう」という話もあるので、昼休みが唯一の外出機会になる日が多い。
ボイスチャットを躊躇しない
自分がやれているかは置いておいて、ボイスチャットを躊躇するべきではないと感じている。基本常に slack が開かれていて、コミュニケーションが取れる状態があるのは大前提として、文字ベースのやり取りより話したほうが早いじゃん、ということはどうしてもある。そういうとき10秒でも1分でもサクッと話すことを躊躇しないでおくとわりと捗る気がしている。
あと、「ちょっとここわかんないんだけど」ってときに作業中のコードを共有する手段として、 VSCode の Live share がすごくいい。めっちゃ快適。デスクトップ共有するぐらいならこっちのほうが絶対いい。ターミナルまで共有されるのがちょっと怖くはあるが。
Nintendo Switch
これハードじゃんって感じだけど Nintendo Switch は買ってよかったなというのが精神的に大きいのでソフト面で入れてみた。
最近だと『あつまれ どうぶつの森』がなんとなく外出欲を満たしてくれるのと、『Fit Boxing』が運動不足解消に使えるのと。『リングフィットアドベンチャー』が流行っていたけど、『Fit Boxing』ならジョイコンだけで遊べるので、ダウンロード版を買ったらサクッと始められる。
自分が最もパフォーマンスを発揮できる状態を、自分でつくる
つらつら書いたけれど、自宅はもともと仕事する場所じゃないので、そこでどうパフォーマンスを発揮できるようにするかを考えなきゃいけないよね、という話。そしてハード面ばかりに意識が向きがちだけど、ルーチンとかも見直すことで結構生産性上がったりするよ、という話。
正直、この状況がいつまで続くかわからないし、感染症が終息した後もきっとリモートワークはある程度普及したままになるだろうなと思うので、今のうちにゴリゴリ環境作りしていくのが吉だと思う。